沖縄そば|沖縄そばだし|レトルト三枚肉煮付|コーレーグース|ピパーズ|カップ麺|ちんすこうショコラ|大福製菓の菓子|
さんぴん茶ティーバッグ|タコライスの素|ジューシーの素|沖縄おにぎり|沖縄天ぷら|沖縄風天ぷら粉と天ぷら芯|
油味噌|泡盛|シークヮーサージュース|豆腐よう|秋ウコン粒|丸長かまぼこ|鰹節|かちゅー湯|なまり節|スク|
冷凍キビナゴ|冷凍グルクンフィレ|島豆腐|ゆし豆腐|ジーマミー豆腐|生落花生|アオサ|ポーク缶|ポチギソーセージ|
コンビーフハッシュ|アメリカ製マーガリン|冷凍せん切りパパイヤ|島ラッキョウ|島ニンジン|ゴーヤー|ニガナ|ヨモギ|
長命草|青汁|ローゼル|ナーベラー|ハンダマ|雲南百薬|チシャ|葉野菜いろいろ|四角豆|ツルナ|シークヮーサー|
柑橘類|ドラゴンフルーツ|スターフルーツ|レンブ|グヮバ|パッションフルーツ|紅芋|紅ジャガイモ|田芋と田芋のズイキ|塩モズクとモズクのたれ
※各品目の価格は2007年秋以降の物価上昇によって随分変動した。気付いたものは変更したが、中には物価上昇が反映されていないものもあると思う。価格に関してはあくまで参考として見て欲しい。
○沖縄そば−500gのゆで麺が一般的で、これで2食分。湯通しするだけで手軽に食べられる。各社から出ていて、麺の種類もいろいろあるが、基本的に太さが違うだけで、麺の質自体にそれほど大きな違いはない。定価は200円くらい。スーパーの安売りならたいてい100円前後で買える。唯一その値段で買えなくなるのが年末で、このときばかりは150円くらいになる。沖縄も年越しそばを食べる(ただし沖縄そばで)風習が定着してしまったのである。沖縄そばとして普通に食べるほか、焼きそばもできるし、パスタ代わりにスパゲティソースをかけてもうまい。(2008年の物価高騰で大手メーカーのオキコが1袋400gにした。追随するメーカーも出てくると思う。値段も少し上がって、100円以下が珍しくなっている。)
○沖縄そばだし−そばのみで使うのならストレートタイプが良いだろうが、濃縮タイプはチャンプルー料理などの調味料にも使えて重宝する。濃縮タイプは数社から出ているが、照喜名製麺所のものが割とあっさりしているので、常用している。600ml入り、かねひでで750円。
○レトルト三枚肉煮付−沖縄では豚の三枚肉も安く手に入る。が、沖縄そばに乗せる分だけ欲しい、という時に三枚肉の塊を買ってきても持て余すだけである。そんな時、このホーメルのレトルトパックは重宝する。中には6枚の三枚肉が入っている。僕は2枚ずつ取り出し、電子レンジで軽く温めてからそばの上に乗せる。どのスーパーでも300円前後。
○コーレーグース−写真のものは自家製。泡盛普通酒の3合瓶に1パック200円の島唐辛子(冬が旬で安い)を入れて、1年経過したもの。なかなか強烈な辛さに仕上がっている。沖縄そばに少量入れるという使い方が主だが、タバスコ代わりにも使える。使う時は小瓶に分けたものを使う。誤って大量に入れたら悲惨なことになるから。市販品は120〜150mlのものが500円ほど。
○ピパーズ−ピィヤーシとかフィファチとかヒバーチとかピパーツとか、何だか名前の定まらない商品だけれど、これは各地の方言をそのまま商品名にしているから。ヒハツモドキの実を粉にしたもので中身は同じ。ただし挽き方に若干差があって、写真左側2つはパウダー状、3番目は粗挽き、4番目はその中間。そばに使うのだったらパウダー状の方が馴染むような気がする。特に八重山そばにはコーレーグースじゃなくてピパーズ。辛さはコショウに近いが、香りは爽やかさを含んで強い。結構癖になる香りである。僕は最近では八重山そばに限らず、そばにはコーレーグースよりもピパーズを使うことが多くなった。が、本島のスーパーだと置いていないところもある。公設市場なら確実。400〜500円のものが多い。
○カップ麺−本土にいた頃、沖縄そばのカップ麺を見つけると、ついつい買ってしまったものだが、沖縄移住後はほとんど食べていない。生麺の方がはるかに旨いし、手間だってそんなにかからないのだから、わざわざカップ麺を食べることはなかろう、と思うからである。しかし、沖縄そばのカップ麺はしばしばスーパーの安売りの対象になっている。ということは、それなりの需要があるのだろう。一般的なカップ麺としてはマルちゃんと明星から出ている。マルちゃんの方は「かつおとソーキ味」、明星は「かつお昆布だし」と表示されている。当然ながら、マルちゃんの味は濃く、明星はあっさりしている。どちらが良いかはお好みで、と言うほかない。
限定的な販売かもしれないが、最近発売されたものに、サンヨー食品の「麺屋味処沖縄そば」と「夏の南国旅行沖縄そば八重山風」がある。「麺屋味処」には「豚骨・鰹のすっきり味」とあり、マルちゃんと明星の中間のような味。「沖縄そば八重山風」というネーミングは八重山そばに失礼な気がするが、味はその名の通り豚骨ベースの八重山風。
まあ、いずれにせよ本土の会社が作った「沖縄そば」というカップ麺であって、決して沖縄そばではない、ということは承知しておくべきだろう。
そのほかに最近明星から「うちなーヌードル」というのが出た。しかし、このカップ麺に沖縄テイストを期待すると裏切られることになる。具には全く沖縄的なものはない。これは多分、「うちーなーんちゅ好みヌードル」なのだ。沖縄で人気のカップ麺に「金ちゃんヌードル」というのがある。徳島の会社が作っているもので、東日本では馴染みがないが、西日本での知名度は高く、沖縄での人気は絶大なるものがある。僕も沖縄で初めて食べたが、まあまあ旨い。おそらくあっさり味のスープが沖縄人の嗜好に合ったものと思われるが、「うちなーヌードル」もそこを狙ったようだ。もちろん味は違うが、あっさり系のスープの傾向は似ているし、具も同じようなものが入っている。果たして定着するかどうか。僕はやっぱり「金ちゃんヌードル」の方が好きだけれど。
いずれのカップ麺もスーパーの日替わりの安売りで、98円程度。
○さんぴん茶ティーバッグ−水出しできるものが手間がかからなくて良い。もちろん煮出した方がおいしいが、がぶがぶ飲む必要がある沖縄の夏に、湯が冷めるのを待つ余裕はないのである。ただ水出しの場合、香りが弱いので、指定された水量より少なめにして作る。これも数社から出ているが湧川商会のものが最も香りが高いように思う。20袋入り。サンエーで通常298円。安売りで198円になる。
○ちんすこうショコラ−沖縄のばらまき土産といえばちんすこうである。ところが、口の中でパサパサするから嫌だという人が結構いる。そういう人にも好評なのがこのちんすこうショコラである。ちんすこうにチョコレートをコーティングしただけだが、このチョコレートが口の中で溶けて、パサパサ感が見事に解消するのである。この商品がウチナーンチュにも受け入れられていることは、スーパーで他の大袋菓子と同列に扱われていることでも分かる。値段もそれらと同様300円前後。僕自身はクッキーやビスケット類を朝食とすることが多く、このちんすこうショコラもその中の一つ。写真のミルクの他にダークや冬季限定のホワイトなどもある。もちろん箱入りの土産品としても売られているが、1個あたりの値段はほぼ倍になる。
○大福製菓の菓子
僕はとりわけ甘いものが好きだというわけではないが、朝食は糖分摂取を第一に考えているので、毎朝必ず甘いものを食べている。それは通常甘いものを塗ったトーストであったり、果物であったりするが、時に大福製菓の菓子であったりもする。大福製菓は琉球菓子のメーカーで、スーパーではこの大福製菓とマルキヨ製菓の琉球菓子がよく売られている。マルキヨ製菓の方は紅芋パイのような洒落たものも作ってはいるが、おおむね伝統的な品揃えである。大福製菓の方は洋菓子系にも手を伸ばしていて、いろいろと作っている。その中にはほとんどチーズの味がしないチーズケーキや、山芋の効果のほどがよく分からない山芋てんぷら(サーターアンダギー)や山芋カステラ、といった明らかに空振りではないかと思われるものもあるのだが、といってそれが不味いわけでも値段が高いわけでもない。名前に期待すると裏切られる、というだけの話である。概して、量に比して安価なのが大福製菓の特徴である。それが特に実感できるのがターウム(田芋)パイとアップルパイ、そして名前の由来がよく分からないストレルカである。ターウムパイは780gほど、アップルパイは800gほどで472円、ストレルカは320gほどで189円。どれも中身がぎっしり詰まっている。パイは126円で小さいものも売られているが、それだと1ホールのお買い得感は薄れる。ストレルカは中身もよく分からない菓子で、原材料を見ても砂糖、卵、小麦粉、膨張剤、香料、とあるのみである。味わいとしてはターウムパイのターウム風味を除いた感じ。中身は3つにカットされているが、1ピースだけでも満腹感がある。大福製菓の菓子は、スーパーではユニオン、かねひでが取り扱っているが、常時出ているわけではないし、ホールのパイは1店舗に1〜2個しか卸していないみたいだ。見つけたら迷わず買うことをお薦めする。
○タコライスの素−オキハムとホーメルから出ているが、味はオキハムの方があっさりしている。写真はともにオキハムで左は要冷蔵の4食パック、中が常温保存の3食パック。右は最近出た要冷蔵のカレー味。1食パックや2食パックもあるが割高である。写真のものはいずれも通常400円ほど。安売りで300円前後。
○ジューシーの素−「ジューシー」は漢字で「雑炊」と書く。沖縄には雑炊は2種あって、本土でイメージする雑炊はヤファラジューシー、またはボロボロジューシーと言い、もう一つは、ラードを使った炊き込みご飯で、クファジューシーと言う。「じゅうしぃの素」を使って作るのはクファジューシーの方。オキハムからレギュラーのものとフーチバー(よもぎ)、地どり、の3種が出ている。僕は基本的には白いご飯が好きなので、そう頻繁にジューシーを作るわけでない。が、沖縄のレトルト食品の中でもこれは傑作なんじゃないか、と思っている。ジューシーというと、普通、観光客はジューシーおにぎりの形で食べることが多いと思うが、この「じゅーしぃの素」を使うと、スーパーやコンビニで買うものと遜色ないものができあがる。作るのもいたって簡単。3合の米に混ぜるだけで、普通に炊飯すればよい。お好みの具材を加えて試してみるのも面白い。スーパーで200〜300円程度。250円前後で売られていることが多い。なお、ボロボロジューシーもやはりオキハムから製品化されていて、こちらは温めるだけのレトルトパック。210円前後。
○沖縄おにぎり−おにぎりはやっぱり定番の梅、鮭、たらこが良い。とは言え沖縄にいる以上、その土地のものを食べてはみたい。写真のアンダンスー(油みそ)、もずく、ラフテー、ゴーヤー等はダイエーで売っていた。この中ではアンダンスーがなかなかいける。ラフテー、ゴーヤーはあえておにぎりにしなくても、という印象。2005年にダイエーが閉店してしまって、これらのおにぎりを見かけなくなってしまった。
ポーク玉子おにぎり、略して「おにポー」はスライスしたポークランチョンミートと卵焼きをご飯で挟んだものが基本で、それ以外にツナや昆布、ゴーヤーの入ったものもある。相当のボリュームがあって軽い食事なら一個で充分。値段もボリューム相応で160〜180円程度。ほとんどのスーパー、コンビニに置いてある。
ジューシーおにぎりは2個1パックで売られていることが多く、140〜200円程度。これもどこにでもある。
珍しいところでは巻き寿司のタコライス巻がある。かねひでで売っているが、普通にタコライスを食べた方がいいような気がする。
ちなみに、沖縄のコンビニでおにぎりを買うと、必ず「温めますか?」と訊かれる。この習慣については諸説あるようだが、僕はアチコーコー文化だと考えている。「アチコーコー」とは巷でもよく耳にする沖縄口で、熱い、温かい、ホカホカといった意味だが、どうもそこには上等、新鮮、出来立て、といったニュアンスも含まれているようなのだ。つまり、温かい、ということ自体に価値があり、それを提供するのは当然のサービスである、という意識が「温めますか?」につながっているのではなかろうか。
もっとも、僕はおにぎりを温めてもらったことは一度もない...
○沖縄天ぷら−写真を見て中身が分かるだろうか。上から順にグルクン、イカ下足、白身魚、イカである。天ぷらという名前からヤマト風の薄い衣とサクッとした食感を求めたら裏切られる。沖縄の天ぷらはフリッターと考えた方が違和感がない。衣が厚く、衣自体に塩味が付いている。ソースをかける人もいるが、何もつけなくてもおいしく食べられる。これがビールによく合うのである。天ぷらは町の専門店の方が概して安くて出来立てのものが買えるが、スーパーでも売っている。写真のものはユニオンでいずれも50円。他の具材でも50〜100円程度である。300〜400円ほど買えば十分に酒盛りができる。
○沖縄風天ぷら粉と天ぷら芯
沖縄天ぷらを自分で作るのも難しいことではない。普通の天ぷら粉や小麦粉でもできるが、沖縄風天ぷら粉が2種、沖縄製粉から出ている。写真左端は粉に水と卵を入れるタイプで、500g128円。2番目は水のみでできるタイプで、500g155〜176円。スーパーによりどちらか一方が売られている。普通の天ぷら粉と比べて割高でもないし、袋の裏に作り方が書かれていて失敗なくできるので、買っておいて損はない。また、沖縄のスーパーでは冷凍のイカや魚の天ぷら芯を売っている。いずれも沖縄天ぷら用にスティック状にカットされている。僕自身は残り物野菜を片付けるときに天ぷらにすることが多いが、そこにイカや魚があればご馳走になるというものである。天ぷら芯は具材と量によって値段が違うが、各スーパーで298〜498円ほど。写真3番目はムラサキイカで298円、右端はミーバイ(ハタ類)で398円。
○油味噌−アンダンスーとも言う。その名の通り豚の脂と味噌に砂糖を加えて作られたもの。単純にご飯の上にのせるだけでも美味しいし、スライスしたゴーヤーなどに和えても良い。田楽味噌のような甘味噌の代わりとしても使える。味噌以外に豚肉や鰹の入っているものと、味噌だけのものがある。スーパーではたいてい100gのパックで100〜150円、赤マルソウの瓶詰めのものは200円前後。公設市場の総菜店では200g程度の手作りのものが400〜500円。中小スーパーでは1、2種類しか置いていないが、メーカーはそれぞれ違っていて味もかなり違う。僕の好みは浦添のスーパーナカムラで売っている「手作り油みそ」である。多くの油味噌はご飯にのせることを前提に濃いめの味付けなのだが、この「手作り油みそ」は味のバランスが良く、豚肉がたっぷり入っていて、単品でも酒のつまみになる。これは200gで210円。1パック常備しておくと何かと便利な品である。
○泡盛−普段飲むものは、新里酒造の「島人(しまんちゅ)」20度1.8lか崎山酒造廠の「南ヌ島(フェーヌシマ)」20度1.8lである。何かで割ってごくごく飲むことがほとんどなので、度数の低さと価格の安さで選ぶ。ともに安売りで730円台、時に698円にもなる。なお、ユニオンで「ユニオンですから」という銘柄が常時798円、安売りで728円で売っているが、中身は「島人」と同じだと思う。味は「島人」がライトでクセがなく、「南ヌ島」は少し老ね香があってまろやか。古酒については「泡盛ベスト5・番外5」を参照して欲しい。
○シークヮーサージュース−テレビでその効能が放映されてから、一躍人気者になって、一時は沖縄でも品薄になるほどだった。数年前まで安い缶詰のものがあってよく買ったものだったが、今は瓶かペットボトルしかない。僕の場合、泡盛にシークヮーサーを垂らして炭酸で割って飲む、という使い方が多い。写真のものは台湾産シークヮーサーを使ったもの。360mlで通常398円。県産シークヮーサーを使ったものはもっと高い。
○豆腐よう−古酒を飲む時にそれに合わせるのは豆腐ようである。居酒屋の自家製のものにはとびきり良いものがあるが、ここでは市販されているものを紹介する。スーパーなどではせいぜい2種類くらいしかなくて、むしろ那覇の公設市場や空港の土産店などの方が品数は多い。数社から出ていて、味、値段とも微妙に違うが、味は各メーカーとも一定のレベルには達している。一昔前とは違って、不味いというようなものはない。なお、開封後は冷蔵庫に保存することになると思うが、食べる時は10分ほど常温に置くと良い。本来の旨みが出る。クセのなさで紅濱(写真3番目)、バランスの良さでマリンフーズ(写真4番目)、クリーミーさであさと屋(写真右端)というところか。いずれも5個入り、公設市場で800〜900円。写真左端の紅あさひのものは4個入り×3パックで850円と安い。業務スーパーで売っている。少々値は張るが、最近になって市販品のレベルを超えるものが出た。それがジェイシーシーの「龍潭豆腐よう」(写真2番目)である。これは居酒屋の上質のものに匹敵する。「オリジナル」「甘味」「辛味」の三種出ているが、まずは「オリジナル」を試してみるのが良いだろう。これは街中ではほとんど売られていない。国際通りだとわしたショップ、空港ではいくつかの売店で入手できる。3個入り935円。
○秋ウコン粒…暴飲暴食をするような年齢でもないから、飲み過ぎなんてことは滅多にないのであるが、休肝日というものがないので、時に肝臓が疲れているな、と感じることがある。そんな時はウコンのお世話になる。粉末の方が固めるための余分な材料を使ってないだけ、良いような気もするが、ウコン粉末の飲みにくさといったら、龍角散以上なのである。おまけに誤って服にこぼしたりしたら、これが落ちなかったりするのである。また春ウコンや紫ウコンというのもあるが、肝臓には秋ウコンの方がいいようだ。ということで僕は秋ウコン粒を常備している。ウコン粒は今や全国のドラッグストアで安く手に入るから、特にこれと言う必要はあるまい。沖縄でも安いところなら1000円以下で買うことができる。写真の2品も1000円以下で購入。
○丸長かまぼこ…かまぼこだけを食べるのなら、できたてのやつに限る。僕が旅行者として那覇に泊まった時には、しばしば公設市場前のジランバ屋でチキアギを買って、泡盛のつまみにしたものである。スーパーで買う時はできたては望めないので、沖縄そばでもチャンプルーでもそのままでも使えるという汎用性の高い丸長かまぼこを買うことが多い。マックスバリュで99円。
○鰹節−沖縄は鰹節消費量全国一なのだそうだ。昆布が取れないのに昆布の消費量も全国で上位に位置する。これだけで、沖縄の食文化が出汁を基本に成立していることが分かる。僕自身も沖縄に来てから鰹節を多用するようになった。それもがばっと一掴みを鍋に入れる、という使い方をする。沖縄そばの出汁や麺つゆに加えると旨味が増すのである。
鰹節は全国どこにでもあるけれども、沖縄で主に使われるのは厚削りの鰹節で、本土でよく使われる花鰹ではない。通常出汁に使うので食べるものではないが、厚みがある分、食べても結構美味い。内容量も値段も様々で、100gあたり130〜400円と幅がある。「本枯れ節」とか「血合い抜き」とかの手間が入れば、そのぶん値段も高くなるが、「本枯れ節」は確かにコクが増しているように思うし、「血合い抜き」は上品な感じになる。それでも安売り時なら100g200円程度である。その他に「うー節」(男節=鰹の背側。さっぱりした味だという。)、「みー節」(女節=鰹の腹側。コクのある味だという。)と分けて売られているものもある。これはまだ買ったことがないので、味にはっきりした違いがあるのかどうかわからない。まあ、通常の料理の出汁に使うのであれば安いもので構わないと思う。
○かちゅー湯−かちゅー湯は漢字で書くと「鰹湯」。丼一杯の鰹節に熱湯を注ぎ、醤油か味噌か塩で味付けする。沖縄ではこれが風邪の特効薬だと考えられていて、おそらくほとんどのウチナーンチュが飲んだ経験を持つ。その他にネギや卵を入れたりもするが、味付けが醤油か味噌か塩かで結構議論になるようである。それはともかく、鰹節さえあればすぐできるものなので、まさかかちゅー湯の商品が出るとは思わなかったが、アンマーからカップかちゅー湯が出た。中には鰹節と味噌が入っているだけ。100円前後で売られているが、はたして売れるものなのかどうか。僕は試しに一度買っただけである。しかし僕はかちゅー湯自体はよく作る。具材を適宜追加して煮込めば、風邪などに関係なく、おいしく食べられるものができる。煮込んだものをかちゅー湯と言っていいのかどうかわからないが。かちゅー湯に関して、僕には家に伝わる味というバックボーンがない。だから純粋に味わいという点で考えられる立場にある。その立場で言うと、味噌味がいいような気がする。
○なまり節−なまり節とは、簡単に言うと、鰹節になる前の鰹節、乾燥させる前の鰹節である。なまり節は本土でもカツオ漁の盛んな地域でよく作られている。沖縄では伊良部島産の評価が高い。僕は沖縄に来るまで使ったことはなかったが、結構便利な食材である。そのままスライスするだけでも食べられるが、ほぐして軽く炒めると生臭さが消えて用途が広がる。マヨネーズや醤油を加えて炒めれば最適な酒の肴になるし、ツナ缶代わりにサラダにも使えるし、チャンプルーやジューシーに加えてもよい。だいたい真空パックで売られていて、開封しなければ2ヶ月ほどもつ。しかし、一回で使いきれるものではないので、開封したら一食分を切り分けて冷凍保存しておくとよい。長期保存も可能になるし、使い勝手も良くなる。醤油味や味噌味がついているものもあるが、味が付いていない方が応用範囲が広いように思う。写真左のものは伊良部島産、サンエーで100g158円。写真中のものは石垣島産、りうぼうストアで100g118円。他のスーパーでは枕崎産を見かけることが多く、100g200円前後で売られている。普通、なまり節といえば鰹のなまり節のことを指すが、鮪のなまり節もある。ただし、スーパーなどでは滅多にお目にかかれない。写真右のものは年一回開催される離島フェアで買った伊良部島産のもの。3枚入って600円。
○スク−スクとはアイゴの稚魚のこと。きれいに列べて瓶詰めされた塩漬けのスクガラスはよく見かけるが、生のものとなると、旧暦5〜6月に店頭に出てくるのみである。この頃の大潮に乗ってサンゴ礁内に入ってくるものが収穫される。礁内に入って藻を食べると味が落ちるとされているので、その前に収穫するのである。スクガラスを食べたことのある人ならわかると思うが、小さい割に背鰭が鋭いので食べるのに結構苦労する。生のものならなおさらである。従って、僕はこれを専ら唐揚げにして食べる。唐揚げなら背鰭をさほど気にせずに食べられる。これが夏のビールの最高の友となる。収穫次第なのでいつ店頭に出てくるかわからないが、6〜7月の大潮の頃にスーパーに行くと出会える確率が高い。値段もまちまちで、スーパーに出てくる「唐揚げ用」(多分、サンゴ礁内に入り込んで藻を食ってしまったもの)は100g99円〜198円ほど。
○冷凍キビナゴ−キビナゴというと鹿児島、というイメージがある。実際、沖縄で売られているキビナゴのほとんどは、鹿児島を中心とした九州産である。また、僕のシュノーケリングの体験でも、キビナゴの大群を見たのは、口之永良部島や宝島の桟橋近くであった。つまり、ある程度水深があって潮の流れの弱い場所がキビナゴの生息域であるようだ。とすると、水深のない珊瑚礁に囲まれた沖縄はキビナゴ漁にはあまり向かないのかもしれない。が、有名な沖縄民謡の「谷茶前」にキビナゴの方言名である「スルルー小」という歌詞が出てくるように、沖縄でも馴染み深い魚であることは間違いない。冷凍のキビナゴは多くのスーパーで常時置いてあり、時に安く入手することができる。発泡スチロールの箱一杯に入って(おそらく100尾近く)298〜380円。ユニオンではしばしば207円の安売りをする。これを解凍して唐揚げにする。単純に唐揚げ粉をまぶしても良いが、青のりやカレー粉を加えれば、また違った味わいになる。15尾ほど揚げてシークヮーサーをかければ、最高の酒の肴になる。
○冷凍グルクンフィレーグルクン(タカサゴ)は沖縄の県魚。唐揚げで食されることが多い。よく揚がったグルクンは骨まで食べられる。これを頭からかぶりつくのは、まあ、居酒屋に行った時の楽しみである。家で調理する場合は、下処理の手間がいらない冷凍の半身(フィレ)を買ってくる。これに唐揚げにするか、厚めの衣をつけて天ぷらにするのである。グルクンの淡泊な味わいは揚げ物に適していて、おかずにも酒の肴にもなる。グルクンは生のものは県産だが、冷凍物はたいていベトナム産である。大きさにもよるが、写真のような切り身が5〜9切れほど入って250〜300円程度で売られている。
○島豆腐−島豆腐の一丁は巨大なので一人暮らしではとても買えない。通常スーパーでは半丁サイズで売っているが、それでも一食で食べきるのは難儀である。たいていポリ袋に入ったものと、容器にパックされたものが売られている。僕の場合は半丁サイズの半分を一食で使って半分残るので、容器入りの方が保存しやすいということもあり、容器入りのを買うのがほとんどである。スーパーの安売りで100円前後で買える。
○ゆし豆腐−ゆし豆腐というとホロホロした状態のものを思い浮かべるが、僕のお気に入りは中頭食品のプリンゆし豆腐である。その名のとおりプリンのような食感、と言うと絹豆腐に近いように感じられるかもしれないが、絹豆腐よりはねっとり感があり、味も濃厚である。これも一食で食べきれないので、半分はみそ汁に入れ、半分は冷や奴のようにして食べることが多い。マックスバリュの99円セールで買う。通常は150円。
○ジーマミー豆腐−ジーマミーとは地豆、すなわちピーナッツのこと。僕が旅行者であった時にはよく買って食べたものだが、移住後は意外に食べなくなってしまった食品である。甘いたれのせいでご飯のおかずにも、酒のつまみにもなりにくい、というのが最大の理由であるが、市販のものにもうひとつこれといったものがない、ということも大きい。食べ比べるとそれぞれ微妙に味わいは違うが、全般にジーマミー豆腐特有ののねっとり感はあるものの風味に物足りなさが残る。その中ではひろし屋のものがコクという点でわずかに勝っているかな、というところ。通常120〜160円程度。安売りで100円以下にもなる。
○生落花生−市販のジーマミー豆腐に満足できなければ自分で作るしかない。必要なものは生落花生、いもくず、タピオカ粉。煎ったものやピーナッツバターでもできるが、前者はやや焦げ臭が残り、後者は少々しつこい味になる。ただしいずれも風味づけに少量加えると、ひとつ違った味になる。火にかけた鍋をかき回し続けるのが手間だが、作るのは簡単だし、間違いなく市販品レベルのものはできる。材料の量を調整して自分好みの味に仕上げるのも面白い。生落花生はスーパーではあまり見かけない。公設市場周辺で800gほど入ったものが300〜400円で買える。
○アオサ−アオサと言えばアーサ汁と言いたいところだが、僕は味噌汁に使う。味噌汁に丼を使い大量の具を投入しておかずにすることを、僕は沖縄で学んだ。で、沖縄の煮込み風味噌汁とは別物だが、アオサ・ワカメ・豆腐・油揚げ・卵・青ネギ・もやし・かまぼこ・キノコ類などありあわせのものをぶちこんで一食のおかずにすることがよくある。写真のものはかねひでの安売りで30g、170円。通常はその倍近い値段。
○車麩−チャンプルーを作る時に何かと便利なのが車麩である。何となく全体の嵩が足りないような時に使えるし、これ自体を主役にしてフーチャンプルーしても良い。普通の車麩は3本入り100円程度で買えるが、僕は圧縮麩を買うことが多い。50%くらい割高にはなるのだが、車麩特有のモチモチ感が圧縮麩の方が強い。また、持ち運びの便利さも大きい。通常の車麩はそれだけでスーパーのポリ袋一つ占領してしまうのである。他の物を買うと、それが車麩を圧迫して破壊してしまうのである。だからといってスーパーに行って100円出して車麩だけ買ってくるのもどうもなあ、と思うのである。最近はさらにものぐさになって、あらかじめカットされた麩久寿の「びゅーてぃ麩」を買っている。切った時の滓が出ないから良い。車麩はどのスーパーでも安売りの時は100円程度、通常120円程度。圧縮麩はサイズによるが通常150〜200円程度。写真のものは業務スーパーで110円。(2008年の値上がりで100円の車麩はなくなった。現在、最安で118円程度である、)
○ポーク缶−僕はチャンプルーにはベーコンを使うことが多いので(沖縄はベーコンも安い)、ポーク缶の使用頻度はそれほど高くない。それでも、ベーコンや肉をきらした時のためにポーク缶は常備してある。ポーク缶もレギュラーサイズを一食で使い切るのは困難。だから半分使って、残りはラップに包んで保存するが、気分的に缶詰のものを残して保存するのは嫌なので、それもポークをあまり使わない理由の一つだ。ハーフサイズの缶もあるが、安売りすることはないのでレギュラー缶の方が安かったりする。様々なメーカーから出ているが、味に大差はないように思う。スーパーで通常200〜300円、安売りで150〜200円前後。写真右端の中国産のものは98円なんてことも。
○ポチギソーセージ−ウチナーンチュは加工食肉が大好きである。ポーク缶がその最たるものであるが、それ以外にもいろいろある。たとえば魚肉ソーセージが相当消費されているであろうことは、スーパーの陳列スペースの広さを見てもわかる。またウインナーの缶詰も結構売られている。缶詰じゃなくてもいいような気がするが、やはり保存食意識が根強いのだろうか。これらは沖縄食材というわけでもないので、ここでは取り上げないが、沖縄ならではのものとして、ポチギソーセージがある。実はメーカーによって名称が違っていて、ニッポンハムがポチギ(他メーカーと同じ内容量120gのものと「赤ポチギ」と呼ばれる内容量135gのものがある。原材料は同じ)、ホーメルがポルトギースと「JAS上級」マーク付きで少々値段が高めのポルトギュー(あまり見かけない)、オキハムがポルトギュー、となっている。いずれも中身はピリ辛のフランクフルトと考えて間違いない。この中ではポチギという名称が最も一般的に通用するようだが、その名称から推察できるように、ポルトガルが発祥らしい。本当にポルトガルにこういうソーセージがあるのかどうか僕は知らないけれど。チャンプルーの具材として利用したり、斜め切りしたのを普通に炒めてそのまま食べたりする。スーパーでは必ず2本組で売られていて、通常250〜330円程度。安売りで200円以下にもなる。
○コンビーフハッシュ−加工食肉をもう一つ。沖縄の加工食肉メーカーと言えば、オキハムとホーメルが二大勢力である。この二メーカーが共通して出している食品は、沖縄での需要が多いと判断して差しつかえない。コンビーフハッシュもその一つ。これはコンビーフにポテトを加えたもの。使い道はいろいろあるが、ツナ缶が使える料理なら、たいていコンビーフハッシュで代替できる。僕の場合は、ソーミンチャンプルーの具材にしたり、ちょっとした炒め物に加えたりことが多い。一度に大量に使うという使い方ではないから、写真のようなレトルトミニパックが便利なのである。内容量はホーメルが75g、オキハムが82g。各種サイズの缶詰もあるが、ほぼ同量の缶詰よりも安いので、少量パックの割高感もない。また、オキハムからは「発色剤無添加」(78g)、チキンハシュ(80g)も出ている。僕としては余分なものが入っていない方がいいし、クセのないチキンハッシュの方が汎用性が高いから、同じ値段だったら無添加やチキンを採る。ところが、通常価格はほぼ同じなのに、無添加やチキンが安売りになることは少ない。また、最近になって「ちゃんぷるーハッシュ」(75g)なる製品も出てきた。チャンプルー料理に特化したから「ちゃんぷるー」なのか、牛肉と鶏肉を混ぜたから「ちゃんぷるー」なのか判然としないが、味のバランスは良く使いやすい。どれも通常1パック80円前後。安売りの時は50円台になる。
○アメリカ製マーガリン−ウチナーンチュはバターとマーガリンの区別がつかない、とよく言われる。しかし、区別していないわけではない。ウチナーンチュにとっては、復帰後に入り込んできた日本製のソフトマーガリンが「マーガリン」なのであって、復帰前から沖縄の食卓を支配していた紙箱のアメリカ製マーガリンは「バター」なのだ。だから、沖縄でバターを要求してアメリカ製マーガリンを出されても文句を言ってはいけない。まず食べてみることである。それで少しは納得できるだろう。同じマーガリンでも、日本製とアメリカ製では味が全く違うのである。日本製マーガリンの中に「バター風味」を謳ったものがあるが、それよりもアメリカ製の方がはるかにバターに近い味なのである。
今、沖縄で日常的に見られるアメリカ製マーガリンは4種類あって、「モージョン」、「ホリデー」、「スカイウェイ」が紙箱、「ゴールデンソフト」のみポリ容器で「減塩」の表示がある。紙箱の3種の味に大差はないが、「モージョン」、「スカイウェイ」はマイナーで、スーパーでは「モージョン」がかねひでで、「スカイウェイ」がユニオンとサンエーでしか扱われていないようだ。一方、「ホリデー」はどのスーパーにもあり、TVCMもしている。その中で「沖縄の定番」と謳うほどに最もウチナーンチュに親しまれているマーガリンである。共通の問題点は、塩分がかなり高そうなことと、サイズが大きく、日本のバターケースに合わないこと。塩分に関しては、食べた実感で言うと、ホリデー>モージョン>スカイウェイ>ゴールデンソフトの順。しかし、塩分の高そうなものほどバターの味に近い。サイズに関しては、紙箱のものはそのままだと大きすぎるので、あらかじめ4つにカットされているのだが、日本製に合わせたバターケースには1カットしか入らないという、何とも中途半端な大きさなのである。
僕自身はバター派なのであるが、沖縄ではバターが高い。かつてはダイエーで、セービング商品のバターが2パック450円ほどで買えたが、ダイエー撤退後はそれも手に入らなくなった。バターは200g入りがスーパーで300円以上する。安売りすることもない。一方、アメリカ製紙箱マーガリンは453.6g入って、通常238〜268円、安売りで208〜218円になる。これでは宗旨変えするしかなかろう。
(2009年になって、上記紙箱マーガリンが店頭から姿を消した。あるのはゴールデンソフトのみである。あるスーパーにはホリデーマーガリンについて「製造上のトラブルで生産休止」との説明書きがあったが、他のメーカーまでなくなるのはおかしい。ネットで調べたら、アメリカ本国がトランス脂肪酸の規制をしたためではないか、という主旨の記述があった。真相は不明だが、それなら納得がいく。2009年9月下旬になってホリデーマーガリンが復活した。箱に「New」の文字が新たに入り、輸入者が沖縄味の素から湧川商会に変わっていたが、それ以外の原材料名・内容量等は全く同じである。値段はスーパーで297、8円。安売りはほとんどされていない。また、その他の紙箱マーガリンは姿を消したままである。)
○冷凍せん切りパパイヤ−沖縄ではパパイヤは果物ではなく野菜である。青い状態の実をせん切りにして、チャンプルーやイリチー(炒め煮)にする。パパイヤは肉を柔らかくするので豚肉との相性は抜群である。スーパーに行けば、まるごとの実も、せん切りのパックも、切り干し大根のごとく乾燥させたものも売っている。しかし、まるごとの実は安価で日持ちするが、アク抜きやせん切りするのに手間がかかる。せん切りパックは便利だが、あまり日持ちしないので一回で使い切らないと厳しい。乾燥ものは保存がきくが、もどすのに時間がかかり食感という点でも物足りない。それぞれ一長一短だな、と思っていたところにこの冷凍ものを見つけた。何より食べたい分だけ取り出せるのが良い。値段も500g148円と安い。ただし、中身は中国産である。扱っているところも業務スーパーしかないのが残念。
○島ラッキョウ−ほぼ一年中手に入れることができるが、春が旬で値段も安い。塩漬けのものはスーパーにはなく、牧志公設市場かその周辺で手に入れるしかない。通常は生のものを買ってきて、根や葉、皮を取ってポリ袋等に入れて塩漬けする。そのまま食べて、泡盛のつまみにするのも良いが、翌日は一日中、口の中がラッキョウ臭いのを覚悟しなければならない。これはいくら歯を磨いても、無駄な抵抗なのである。天ぷらやチャンプルーにすれば、えぐみが取れて臭いも残らない。旬の頃なら写真ほどの束で100〜200円。
○島ニンジン−ウチナーグチで「チデークニ(黄大根)」とも言うが、現在は島ニンジンの呼び名の方が一般的である。秋から冬にかけて出回る野菜で、いつでも手に入るというわけではない。色は黄色で、形は細長い。といってもニンジンであるから、当然ニンジンの味で(ただし、子供が嫌うようなニンジン臭さは少ない)、使い方も普通のニンジンと変わるところはないが、密度は濃い。これを食べると赤いニンジンがスカスカしているように感じられる。ただ、赤ニンジンの倍くらいの値段なので、普段はあまり買わない。しかし、流通に乗らない不格好なものが妙なところで安く売られていることがあって、そんな折に買ってくるのである。写真の島ニンジンは5本で100円。植木市で花の横に並べられていた。スーパーだと形の整ったものが2、3本で200円ほど。
○ゴーヤー−僕が沖縄に通い始めた1980年代初め頃は、ゴーヤーは夏の野菜で、春に行くと食べられないこともあった。今は一年中食べられるが、もちろん旬の夏が安く手に入る。ゴーヤーと言えばチャンプルーで、僕もチャンプルーにすることが最も多い。その他には天ぷらにしたり、薄くスライスして白身魚を加え甘味噌で和えたりしている。ゴーヤーはグラムで売られていることが多く、100g40円以下であれば、中サイズ1本が100円程度で買える。
○ニガナ(ンジャナ)−沖縄の苦い野菜はゴーヤーばかりではない。ニガナ、ヨモギ(フーチバー)、長命草(サクナ)と揃っている。僕は勝手にこの4種の野菜を沖縄ニガ野菜四天王と名付けている。これらに比べたら最近のピーマンなんぞ幕下クラスである。ゴーヤーは品種改良されて、20年以上前に感じた強烈な苦みはなくなっているが、ニガナ、ヨモギ、長命草はいまだ野生の苦みを保っていて、野菜と言うよりは野草と言うほうがふさわしい。この中で僕がよく利用するのはニガナである。これをせん切りにして白和えにする。島豆腐をほぐして、スプーン一杯のピーナッツバター、味噌で和えると、これが最高の酒のつまみになる。ぜひお試しあれ。春夏が旬だが、一年中手に入れることができる一束100〜200円程度。
○ヨモギ(フーチバー)−沖縄ではヨモギは汁物とセットで使われることが多い。特に山羊汁では臭み消しのために大量に使われる。しかし自宅で山羊汁をやることはないので、僕の使い方は、沖縄そばに3、4枚、味噌汁に3、4枚といった程度のものである。ところが売っているものは1束の量がやたらと多い。たいていもてあまして、最後は天ぷらなどにして無理矢理片づけるのであるが、そう毎度毎度天ぷらというわけにもいかない。そこで最近は苗を買ってきて、ベランダで育てたものを使っている。僕のような使い方であれば、一株で十分なのである。売っているヨモギは一束100〜200円程度。
○長命草(サクナ)−長命草は沖縄本島で売っているのを見たことがない。市場を丹念に歩けばあるのかもしれないが、少なくともスーパーでは売られていない。石垣島の市場にはあった。西表島では道端に雑草のように普通に生えていた。沖縄では、長命草は細かくせん切りにされて刺身のツマとして出てくることが多い。魚の毒消しの効果があるのだという。それ以外の使い方としては、ニガナと同様に白和えにすることがある。売っていないので、これも苗を買ってきて育てている。もともと海岸の岩場に自生する植物というだけあって、風にも雨にも寒さにも強い。強烈な苦みのせいか虫もつかないようだ。ちなみに苗はホームセンターで68円だった。
○青汁−僕はウコン粒以外の健康食品に関心はないので、青汁なるものを飲んだことがなかった。しかし、上記ニガ野菜のうち長命草とゴーヤー入り、となると無関心ではいられない。値段も手頃なので買ってみた。飲んでみると、確かに苦いが、ゴクゴク飲めないような苦さではない。ただ、これが他の青汁に比べてどうなのか、僕には判断のしようがない。商品の名称も清涼飲料水となっているから、健康食品としての青汁とは違うのだろう。従ってこの商品だけで判断するしかないが、苦みとしては、長命草の苦さが強いように思う。喉ごしに繊維質の引っかかる感じがある。苦みや繊維質がそのまま体に良い、というわけでもなかろうが、ちゃんと材料を使っているなとは思える。946ml入り。スーパーではかねひでで売っている。通常198円、安売りで178円。僕は賞味期限間近で半額、なんていうのがある時に買う。つまり、何としても飲みたいとは思わないが、安ければさんぴん茶の代わりに飲むのも良かろう、という程度の位置づけである。
○ローゼル−どこにでも売っているというわけでなないが、秋から冬にかけてちょこちょこと見かける。ローゼルを乾燥したものがハイビスカスティーとして土産物店で売られている(ローゼルはハイビスカスの一種なので問題はなかろう)が、秋冬に出てくるのは生の萼の部分。値段はまちまちで、1パック30個ほど入ったものが100〜300円ほど。もちろん僕は100円に近いものがある時に買う。と言っても、そんなに用途はないのである。煮出してローゼルティーにするか、赤い部分を切り取ってサラダに散らすか、というところだ。ローゼルジャムにする手もあるが、そもそも僕はジャムなど使わないのだから、作っても作っただけになってしまうだろう。
で、10個ほどのローゼルを2リットルの水で煮出して冷やし、アイスローゼルティーとして飲む。さっぱりした酸味があって、レモン水の感覚で飲める。
また、萼の部分を切ってサラダに散らすと、赤色と酸味が視覚と味覚のアクセントになって、なかなか面白い。
○ナーベラー−ヘチマのこと。ナーベラーの語源は「鍋洗い」。ゴーヤーと並んで夏の代表的な野菜である。僕はナーベラーンブシー(味噌煮)以外には使ったことがないが、これがご飯にとてもよく合う。初めて食べた時はちょっと土臭いな、と思ったが、それがだんだん癖になってくるのである。夏だと1本100円以下、冬だと150〜200円程度になる。
○ハンダマ−水前寺菜、金時草とも言う。その和名から分かるとおり沖縄特産というわけではないが、沖縄のスーパーには必ずある。葉の裏の鮮やかな紫色が印象的な葉野菜。もともと雑炊やみそ汁に使うものだったらしいが、僕はサラダに利用することが多い。生のままだとレタスに近い味と食感。茹でるとぬめりが出てワカメに近い食感になる。ただし茹でた場合は葉の紫色は抜けてしまう。その他、チャンプルー等にも使える。応用範囲の広い野菜である。秋冬が旬だが、ほぼ1年中売っている。。1束100〜200円ほど。
○雲南百薬(ウンナンヒャクヤク)−最近の僕のお気に入り野菜で、常時冷蔵庫に入っている。薬草みたいな名だが、実際、栄養価は高いらしい。調理法はお浸しにするのが一般的。オカワカメという別名があるように、茹でるとぬめりが出て、ワカメに近い食感になるが、シャキシャキ感は残る。味はクセがなく、ホウレンソウを抑えめにした感じ。従って、ホウレンソウが使える料理ならどんな料理でも対応できる。こんな便利な食材なのに、スーパーには出回っていないし、八百屋でもほとんど見かけない。野菜直売所などで買うことになる。写真の葉は幅5cm程度。これが1袋100枚程度入って100円。
○チシャ−チシャとはレタスの仲間全般の名称であるが、沖縄でチシャの名で売られているものはレタスやサニーレタスやグリーンリーフなどよりぐっと肉厚である。肉厚なだけに炒めても茹でても存在感が失われない。生食でももちろんいけるが、苦味がやや強く、歯ごたえもあるので、やや粗めに刻んだ方が良いようだ。ほぼ生食に限られるレタスに比べて応用範囲が広く、通年100円程度で売られているのもうれしい。ただ、これもスーパーにはないので、野菜直売所などで。
○葉野菜いろいろ−春から夏にかけて、沖縄では様々な葉野菜が安く出回る。大手スーパーだとその種類は限られるが、県産野菜を扱う八百屋や小スーパー、野菜直売所にはたくさんあって、しかも安い。まとめて紹介するのは僕がチャンプルー(炒め)、ヒラヤーチー(焼き)、汁物(茹で)などにしか使わなくて、どの野菜も同じように鍋やフライパンに放り込むだけだからである。それぞれの野菜に合ったレシピを工夫すべきだとは思いつつ、野菜を大量に摂取するには雑な料理の方が良い、と開き直っている。
カラシナは最もポピュラーな葉野菜でシマナー(島菜)とも呼ばれる。ただし、シマナーと表示されていることはほとんどない。カラシナの名の通り、生だとピリッとした辛味を感じるが、調理すると辛味はほとんど消える。また、塩揉みしたものをチキナー(漬け菜)と呼び、チキナーチャンプルーというメニューは食堂でよく目にする。
シロナは漢字で書くと白菜。ハクサイではないが、仲間ではある。本土では山東菜となるようだ。玉にならないハクサイといったところで、玉にならない分、味も凝縮されず、ハクサイ臭さがない。クセがなく使いやすい野菜である。
ンスナバーはフダンソウ(不断草)と表示されていることが多い。葉が常に出続けることから不断草となったらしい。この野菜はアクが強いので湯がく必要がある。味わいはホウレンソウに似ている。
ツルムラサキは方言でジービンとかジュビンと言うらしいが、その方言名を店で聞くことはない。この野菜はフダンソウ以上にアクが強い。湯がくとやはりホウレンソウに近い味になる。
エンサイは方言でウンチェーバー、漢字では空心菜となり、どちらの表記も見かけるが、エンサイで出ていることが多い。炒めても空洞の茎部分のシャキシャキ感が残るので、この野菜は炒め物に特に適している。しかし、植物検疫にひっかるので県外には持ち出せない。
ジビランは野菜直売所でもあまり見かけないが、見つけた時には買うようにしている。和名をサンカクハゼランというが、その名で売られているのを見たことがない。沖縄の道端でよく見かけるハゼランとは別物である。花の蕾までついて売られていて、水に挿しておくとピンクのきれいな花が開く。蕾までついているのは、茹でれば茎から花まで すべて食べられるからである。味にクセはなく、茹でた時の食感は葉がハンダマ系、茎はブロッコリー系。お浸し、サラダ、味噌汁など茹で物に最適。
春夏の旬の頃なら、いずれも八百屋や野菜直売所で100円程度で手に入る。もちろん値段に変動はあるが、よほどの天候不順でもない限り、安い野菜は必ずあるので、種類ではなく値段で選ぶのである。大手スーパーにはカラシナは常時あるが、その他のものはあったりなかったりで、値段も150〜200円と若干高くなる。
○四角豆(うりずん)
四角豆は沖縄では「うりずん」の名称で売られていることが多い。写真ほどの量で100円前後。味はクセがないので、どんな料理にも対応できるが、僕は茹でてサラダに使うことがほとんど。グリーンアスパラやブロッコリー、カリフラワー等と同様の感覚で使える。横に切ると四角のそれぞれの角からツノを出したような形がユニークで、視覚的なアクセントになる。常時売られているものではないが、秋が旬のようで、よく見かける。
○ツルナ−全く「普段使い」になっていないのであるが、是非普段使いにしたい食材を紹介しておく。「普段使い」にならない理由はほとんど流通していないからである。スーパーにも市場にもなく、たまたま近くで開催されていた「農協まつり」で見つけ、試食して買ってきたのである。海岸に自生しているものらしい。ほとんどほうれん草と同様に使える。味はかすかに塩気を感じるが、クセがないのでほうれん草よりも用途が広いかもしれない。おひたしはもちろん、チャンプルーにも味噌汁にも沖縄そばにもいける。これがポリ袋一杯に入って100円だった。まあ、値段は流通の仕方で変わってくるのだろうが、ほうれん草4把くらいの量はあった。海岸に生えているくらいだから強い植物なのだろうし、栽培も容易だと思う。こんなに便利で安い食材を流通ルートに乗せない手はない、と思うのだが、あまりに普通にありすぎて商品にならないのだろうか。とりあえずは、海岸に行く機会があったら探してみよう。
○シークヮーサー
シークヮーサーの青い実は8月から二ヶ月ほど市場やスーパーに出回る。かつてはヒラミレモンという和名もよく耳にしたが、どうやら「シークヮーサー」という方言名の方が定着したようだ。直訳すると「酢食わせ」。酸っぱさを与えるもの、というくらいの意味である。アクセントはシークヮーサーではなく、シークヮーサーと語尾をフラットにするのが本来。しかし本土人がみんなシークヮーサーと発音するので、近頃はウチナーンチュでもそう発音する人が増えてきた。使い方はモズクのたれなどの酢の物に使うほか、泡盛に入れたり、刺身や揚げ物にかけたりする。レモンと同様に考えてよい。12月頃になると、熟した実は二回りほど大きくなって黄色くなり、その色から「クガニ(黄金)」と呼ばれる生食用種が出回る。僕はそれも泡盛に入れるけれど。青切りシークヮーサーは8、9月なら市場でもスーパーでも買えるが、概して市場の方が安い。写真のものは公設市場で購入。400gほど入って300円。
○柑橘類−シークヮーサー以外にも沖縄には多数の柑橘類がある。8月のシークヮーサーから始まって冬の終わりまで、沖縄には種々の柑橘類が店頭に溢れる。僕が食べたことがあるのは、シークヮーサー、カーブチー、タルガヨー、クガニ、オートー、ポンカン、いずみ紅、あまSUN、タンカンなど。その他に県産の温州みかん、伊予柑、デコポンなども出てくるが、これらは他県産の方が優勢である。県産柑橘類の値段は温州みかんに比べれば少し高くなるが、それぞれに特徴があって面白い。
クガニはシークヮーサーの生食種が熟したものだが、すでにシークヮーサーの酸味は消え、と言って甘みが強いわけでもなく、実が小さい割に種が多い、という生食には中途半端な果実。12月頃に市場を歩けば見つかるが、出回っている数は少ない。
カーブチーは10月半ば頃から出回る。カーブチーとは「皮が分厚い」という意味。皮は剥きやすいが、外見の割に実は小さく種が多い。香りは強く甘みもあるがやや酸っぱさが勝る印象。時期的に「運動会みかん」とも呼ばれ、スーパー等でもよく見かける。
タルガヨーはカーブチーとオートーの交配種。11月初めから出てくる。皮は薄く剥きやすい。味や香りはカーブチーに近いか。カーブチーを食べやすくしたような感じである。
ポンカンは11月半ば頃から出回る。甘味と酸味のバランスがよい。12月に出てくるタンカンと比べると、大きさは同程度だが、橙色が薄く、やや酸味が強い印象。
オートーは11〜12月頃に出回っている。青い状態で食べるので「青みかん」とも呼ばれ、しっかりした酸味がある。もちろん生食に適した甘さもあるが、泡盛に入れても甘さが邪魔にならない。しかし、こういう味は今は流行らないようだ。市場などでも滅多に見かけない。
あまSUNは12月〜1月に出てくる。「ちゅらさん」のように沖縄語の形容詞は「〜さん」で終わる。従って「あまSUN」は「甘い」という意味の沖縄語そのものに太陽の「SUN」を掛けたネーミング。その名の通り、甘みが際立ち、沖縄の柑橘類の中では最も甘い。少々剥きにくいが、種は少なく食べやすい。
いずみ紅は12月半ば頃から出荷が始まり、1月にほぼ出荷終了するという出回り期の短いみかん。大紅とも呼ばれる。また、この出荷時期からサンタ紅と呼ばれることもある。紅色が鮮やかで、大きさは温州みかんと同じくらい。味も温州みかんに近く、少々コクを加えた感じ。種は多い。似た種類で名護紅というのも出回っている。
タンカンは冬の沖縄柑橘類の代表。12月頃から出回るが、最盛期は1〜2月である。種が少なく、甘味の方が前に出てくるが、甘味と酸味のバランスはよく、濃厚な味がする。沖縄のタンカンは3月で終わるが、4月になると鹿児島産が出てくる。
○ドラゴンフルーツ
僕には果物を常食する習慣はない。ましてやマンゴーのような高級フルーツには縁がない生活をしている。しかし、果物が安いときには買ってきて、朝食として食べることはある。このドラゴンフルーツもそんなものの一つ。大玉の優良品は一個300〜400円もするが、小玉のものは一個あたり50円前後で袋詰めされて売っている。それくらいなら買おうかな、という気になる。
ドラゴンフルーツはサボテンの実で、白玉と赤玉がある。白はさっぱり系で、赤はやや甘みが強い。いずれにしてもクセのない味で、中の粒々がキウイに近い食感を与えている。
赤、白を表示して売っている店もあるが、表示していない店も多い。その見分け方は、果皮の鋸歯状の部分がはっきりと緑色ならば白、赤色が強ければ赤。形が楕円球ならば白、球に近ければ赤である。8、9月が旬。
○スターフルーツ(ゴレンシ)
スターフルーツもドラゴンフルーツと同様のことが言える。通常の流通ルートに乗る大玉のものは一個200〜300円で売られているが、小売店が直接買い付けしたと思われる小玉のものは一個50円程度で袋詰めされて売られていることがある。ドラゴンフルーツと違うのは、年に3回ほど収穫できるため、ほぼ一年中出回っているという点で、旬の時期が特定できない。袋詰めの安いものを見つけたときに買う、という感じである。
スターフルーツはその名の通り、横に切ると星形になるお洒落な果物である。味、食感とも梨に近い。
○レンブ
レンブは7月の短い時期しか出回らない。割と安いので見つけた時には買っている。味や食感は梨に近い。直径5〜8cmほどの大きさで、皮は薄く丸かじりできる。甘みはそれほど強くはないが、水分がたっぷりあって、夏の暑い時期に適した果物である。9月になると一口サイズの水レンブが出回る。こちらは大きさ2〜3cmほど。味はレンブと変わるところはない。レンブはスーパーに出てくることはなく、野菜直売所で1個あたり20円程度、水レンブは1個あたり10円程度で袋詰で売られている。
○グヮバ(バンシルー、バンジロウ)
グヮバを初めて食べたのは25年ほど前である。西表島で民宿の主人と道を歩いていたときに、主人がやおら他家の石垣によじ上って、その家の庭から生えていたグヮバの実をいくつかもぎ取って、「食べれ」と言う。他家の庭のものを断りもなくもぎ取ってしまうことへの驚きの方が大きくて、グヮバそのものの印象は薄い。不味くはないが、とりたてて美味い、というわけでもない。言ってみれば、プラムの甘さとみずみずしさを減らして青臭さを加えた、という代物である。皮ごと丸囓りできるのだが、中には硬い小さな種があり、それが歯にガリッと当たって丸囓りの気勢をそがれる。民宿の主人はペッペッと種を吐き出していたが、吐き出すのが面倒なほどに小さい。といって、飲み込むには抵抗のある硬さなのだ。まあ道端に生えているものだから、これくらいは仕方がない、と思いつつ食べた。以後、グヮバは木からもぎ取るものであって、買うものではない、という意識が根強く残った。
市場を歩くとグヮバが売られている。特に9月に多く出回るようだ。が、上記のドラゴンフルーツやスターフルーツに比べると、包装もされずに雑な扱いを受けている。昔から沖縄にあった果物だから応援したいのは山々なのであるが、買うものじゃないだろう、という意識が邪魔をする。一個あたり20円くらいで袋詰めされているのを見つけ、懐かしさにも後押しされて購入する。食べてみると、やっぱり不味くもなく美味くもない。相変わらず種は邪魔である。糖度を上げ、種を小さくするか柔らかくする、という品種改良をすれば一躍人気商品になりそうな気もするが、そういう努力がなされている気配はない。25年前から変わらず中途半端な果物のままだ。でも、こういうものが残り続けるのもいいな、と思うこのごろなのである。(と書いた後、新聞の広告で種なしグヮバの苗木が売られているのを発見した。努力はなされていたのである。その後青果店で訊いてみたら、種なしグヮバの実は小さくて、売り物にならないのだと言う。さらなる努力が必要なようである。)
○パッションフルーツ
パッションフルーツもまた、買うことに抵抗のある果物である。パッションフルーツを初めて食べたのは、1991年の夏、沖縄ではなく小笠原の母島で、だった。7人という大人数で旅した僕たちは、そこで初老の漁師のKさんと仲良くなった。かつては遠洋漁業の船に乗り込んでいたという話もしていたが、僕たちと遇った頃は悠々自適の生活だったようで、この年も、続けて行った翌年も僕たちに付き合ってくれた。そのKさんがパッションフルーツを僕たちにくれたのだ。一見グロテスクに見える果肉は食べてみると爽やかな酸味と甘みのバランスが絶妙で、僕たちは皆、うまいうまいと食べ尽くしたのだった。一日行動をともにしたKさんは、夜、自宅に僕たちを招き、帰りには僕たちが大絶賛したパッションフルーツをポリ袋一杯に詰めて持たせてくれた。数十個はあったと思う。
そのころ沖縄にパッションフルーツが商品として出回っていたのかどうか確かな記憶がない。沖縄に行くのは3月が多かったので、時期的に出回り期ではなかったというだけかもしれない。今、沖縄では1個100円くらいで売られている。その価値も知らずに数十個のパッションフルーツをただでもらってしまった僕は、どうしても高いなと感じてしまう。果肉の少なさからみても、1個30円が買うかどうかのボーダーラインと考える。しかし、野菜直売所で袋詰めで売られているものでも1個あたり50円程度だ。それが追熟が進んでシワシワになってくると半額になったりする。そんな時にやっと買うのである。食べ方は実の上部を包丁等で切り取って、中身をスプーンで掬って食べる。だいたい2〜3掬いでなくなる。美味ではあるが、そういう手間と果肉の少なさを考えると、加工して商品価値の出るものかな、という気がする。
○紅芋−紅芋というと、最近は沖縄土産の代表格になりつつある「紅芋タルト」をはじめ、「紅芋パイ」、「紅芋チップス」などの加工食品がもっぱら知られている。確かに、生の紅芋を買ってきても、あまり調理法が思い浮かばないのだ。僕の場合は、スティック状にカットして天ぷらにするか、きんとん状につぶしてコロッケにするか、というくらいである。また、生の紅芋は食物検疫の対象にもなっていて、県外には持ち出せない。イモゾウムシやアリモドキイモゾウムシというのがいるのだ。どのくらいの確率でいるのか分からないが、僕が買った紅芋からアリモドキイモゾウムシ出てきたこともあったから、極めて低い、という数字でもなかろう(2008年、那覇空港で移動を阻止したイモの寄生状況は13・8%だったという)。しかし、せっかく沖縄でしか食べられないものなのだから、天ぷらやコロッケ以外にも何かできないかと試行錯誤しているところである。紅芋は冬が旬で安い。紅芋産地として有名な読谷村のものは少々ブランド化していて、他の産地のものよりちょっとだけ高い。写真のものは伊江島産。公設市場近くの八百屋で4個入り200円。スーパーだと同じくらいの量で300円ほど。
○紅ジャガイモ−最近、宜野座村の特産品としてよく出回るようになってきて、スーパーなどでも普通に見かける。紅ジャガイモといっても紅芋のように中身が紫なのではなくて、皮が紫なだけである。しかし、味はなかなかよろしい。舌触りがクリーミーでほのかな甘味がある。煮ても煮くずれしない。値段も普通のジャガイモとほとんど変わらないので、紅ジャガイモが店頭に並んでいる時はよく買ってくる。ただし通年出回っているわけではなて、2〜4月に出荷されているようである。
○田芋(ターンム)と田芋のズイキ(タームジ)−田芋とそのズイキを使って作るのはドゥルワカシーである。田芋、ズイキに細かく刻んだ豚肉、カステラかまぼこ、椎茸を加えてきんとん状にする。これは少々手間がかかるので、普段使いというほど作らないが、田芋のズイキが手に入った時に一念発起して作る。少量作ることができないので、残った分はコロッケにして冷凍保存する。田芋の代わりに冷凍食品のタロイモ(これとて本土にはないだろうが)を使ってもよい。そのまま油で揚げても、コロッケにしても美味。田芋は100g50〜100円程度。フィリピン産や小玉のものは安い。写真のズイキはサンエーで198円。
○塩モズクとモズクのたれ−実はモズクを「買う」ことにはちょっと抵抗がある。沖縄移住以前、僕は毎年のように3月末に西表島に行った。ちょうど天然モズクの収穫期で、干潮の南風見田の浜に行けば、モズクはいくらでも採れた。それをコーヒー瓶やタッパに詰めて持ち帰ったのだった。僕にとってモズクは「採る」ものだったのだ。とは言うものの、本島では買わざるを得ない。小さなたれ付きのパックものも売っているが、丼椀に入れて大量に食べることが常態化してしまったので、量のある塩モズクを買う。また、生のものや解凍ものもあるが、塩モズクは保存がきくので使い勝手が良い。通常、酢の物として食べるが、夏には素麺に混ぜて麺つゆで食べることもある。100g48〜98円程度。たれは僕の場合、土佐酢にニンニク、生姜、黒糖を入れ、レモンかシークヮーサーを垂らして作るが、手間を省きたい時は市販のモズクのたれをベースに好みの味付けをする。200mlで300円ほど。